第一回 隼駅まつりとハヤブサライダーは、コウノトリ
沢山の観光客やライダーたちが訪れるゲストハウス「BASE8823」。
BASE8823のある八頭町隼地域は、隼バイクの聖地として多くのバイク乗りに愛され、多くのバイク乗りが訪れる地域です。
今回は、自身もライダーであるスタッフの山村さんにインタビューさせていただきました。
ライダーのこと、観光客のこと、鳥取のこと、八頭町のこと。
沢山お話を聞かせていただきました。
八頭町は、ライダーにとって世界でも稀にみる環境
―― 山村さん今日は、よろしくお願いします。
今回のインタビューでは、八頭町を訪れようと思っている観光客の方に、八頭町や鳥取の良さを伝えれたらいいと思っています。
また、八頭町の方にもどんな思いで観光に取り組んでいるのか、
知ってもらうきっかけになるんじゃないかと個人的には思っています。
山村さん(以下省略 山村)よろしくお願いします。
八頭町の方にも「自分の町を知って欲しい」という事はとても素晴らしい事だと思います。
八頭町は本当に素晴らしい町だと思いますので!
唐突ですが、町が一丸になるってことでいい事例があります。
兵庫県豊岡市ってご存じですか?
―― 日本海側の都市ですよね。
山村 コウノトリが生息していた土地なんです。
兵庫県豊岡市の事例で、コウノトリのおかげで町全体が一体化したものがあって。
コウノトリが最後までいた土地として、復活させるために町が一丸となったんです。
―― 面白いですね。
山村 市役所の中にコウノトリコウノトリ共生課って部署があったり。
実際にドジョウ一匹運動なんかがあったり。
コウノトリを再び呼ぶには、土壌、田んぼ、川すべてをよくしなければならない。
街に人を呼ぼうとした事業ではなく、街にコウノトリが再び来るようにしようとすることで、住みやすい町になり、町自体が活性化できた事例なんです。
コウノトリに優しい街にすることで、自然に環境がいい街になり環境に優しい工場や企業の誘致につながったようです。
―― こんなことしたら、コウノトリが困るんじゃないか?
この薬品で農作物を作ることって、コウノトリの住む環境にいいのかな?って考えながら町を作っていくって素敵ですね。
山村 僕は、隼駅まつりやライダーの存在が、八頭町にとってのコウノトリなんじゃないかなって思っているんですよ。
―― コウノトリが隼駅まつりでありライダーですか?
山村 隼駅まつりが、あれだけ続いたのはミラクルだと思います。あんな祭り日本全国探してもないですからね。
昔生息していたコウノトリを大事にしたように、八頭町にある隼駅やライダーの皆様を町の方々が大事したから、これだけのお祭りになったんだと思います。
―― 昨年の来場台数が2300台です。
山村 バイクのイベントは、バイクと地元がだいたい激突するんですよ。主に騒音やゴミ問題ですね。
しかし、八頭町はそれがない、ありえないことです。町の方が受け入れてくれるからこそ、マナーの良いライダーが集まってくるのだと思います。
本当に素晴らしい。世界でも稀にみる環境ですね。
夏の暑いときかき氷をくれる人がいたって言ってました。
山村 バイクと鳥取や八頭は、本当に相性がいいと思う。ライダーに優しい声をかけてくれるのも、みんなとても嬉しいようです。
―― 本当に相性がいいとは具体的にどんなところですか?
山村 まず、道が走りやすいですね。
そして、景色が綺麗。田んぼの風景とかも大事なんですよ。
走っていてめちゃくちゃ気持ち良いですよ!
皆さん景観のために農業をやっているわけではないのですが、
その景観を維持してくださっているのはライダーにとって本当にありがたいと思います。
耕作放棄地があって草ぼうぼうになっている道では、走っていて楽しくないですし。
ライダーにとっての景色が綺麗っていうことは、耕作放棄地が少なく、
手入れが行き届いている果樹があることなので。
コウノトリが住みやすい町にすることと同じように、ライダーにとって良い町になれば、八頭町がいい街に近づいているということではないでしょうか。
ライダーが走りたくなる町=景色・道路が綺麗=しっかり手入れされている=農林業がきちんとなされているということになりますよね。
どんどんライダーにとって良い町になって欲しいと思います。
―― 僕は、バイク乗りでないので「道が走りやすい」っていうのはわからないですね。
山村 これは感覚ですね!他の地域との比較になってきます。
たとえば大阪でバイクが走りやすいかというとそうじゃないんですね。
信号が沢山あったり、路上に車が沢山あったり、横断歩道があって車の陰から飛び出してくる人もいたり、めちゃくちゃ神経を使うんですよ。
でも、あそこはあそこで煌びやかで魅力があるんです。港湾部など24時間眠らないエリアも一回は走ってみたいっていうのはありますね。
でも、自然の中とかライダーはやっぱり空気のうまいところを走りたいんですよ。
生身で空気を吸うので、排ガス臭いところより自然が多いところの方が嬉しいですよ。
―― バイクで走っているって、本当にむき出しですもんね。車と比べ物にならないぐらい外の世界ですね。
山村 そうなんです、そして基本一人です!バイク仲間の友だちと来てるときも、結局は移動中一人です。
基本バイク乗りは一人なので、地元の人に声かけられたりするのは、めちゃくちゃ嬉しいです。
ライダーは、八頭町の方々が歓迎されている感じがしているみたいで。
他の市町村では、コンビニに沢山のバイク乗りがたむろしてるだけで、何もしてないのにトラブルの原因になってしまうこともあります。
通報されたりってことが都会ではあるようで、八頭町はそんなこと全くない。
昔は、隼駅でそういうこともあったみたいなんですけど(笑)
―― 隼駅に県外の隼ライダーがいることは、僕らにとって日常ですもんね。
山村 ほんとにすごいことです。人が皆優しいですからね。
ガソリンスタンドでも、どっから来たのって話しかけてくれたり。
あるライダーは、夏の暑いときかき氷をくれる人がいたって言ってました。
かき氷食べんさい、暑かったでしょーやって。そんな所無いと思いますよ。
BASE8823に来るお客さんは、最初はBASE8823のこと好きで来てくれます。
でも、ここを拠点として、あっちこっち回った結果、色んな人と触れあって、鳥取や八頭町が大好きになりましたと皆さん言われています。
―― せっかく遠くから来てくれた人には、何かおもてなししたくなりますもんね?
山村 八頭町の旅行者に対してのおもてなし精神は、ほんと素晴らしいと思います。
なんでこんなに親切なのかなと思うほど、外の人に優しい。ライダーは、近年志子部にも泊まりに行ってるし。
みんな受け入れさえすれば、ライダーはどんどん来てくれると思いますよ。
ライダーとしゃべるのは楽しいと思います。色んな話題を持っているので。