第三回 柿の景観は残したい
沢山の観光客やライダーたちが訪れるゲストハウス「BASE8823」。
BASE8823のある八頭町隼地域は、隼バイクの聖地として多くのバイク乗りに愛され、多くのバイク乗りが訪れる地域です。
今回は、自身もライダーであるスタッフの山村さんにインタビューさせていただきました。
ライダーのこと、観光客のこと、鳥取のこと、八頭町のこと。
お話を聞かせていただきました。
柿の景観は、八頭町の必須アイテムだと思います。
―― 八頭町は、美味しいもの多いですよね?
山村さん(以下省略 山村) 本当にそうですよね。
西条柿もしいたけもブドウも、びっくりするぐらい美味しいです。
美味しいものが多いのは、ある程度規模が小さいからなのかなって思っています。
小さいからこそ目が行き届いて、美味しいものを作ることができるんじゃないでしょうか?
無理して大きな規模でやってらっしゃらない気がします。今気になってることが、一つあって。
―― 気になっていることといいますと?
山村 秋の花御所柿の景観は素晴らしいと思いました。ぜひ残していって欲しいです。
だから、柿を何とかして売らないといけないなって。
柿の景観を守るために、工業製品やサプリなんかに加工出来たらいいんですけど。
廃棄しているものも、おそらく沢山あると思うので。
柿の成分じゃないとできないことってあるんじゃないかなって思っています。
実際柿渋石鹸とかありますよね。車やバイクの洗車にいい成分が入っていないかとか調べてみようかな。
日本全国で、あんな見渡す限りオレンジ色の道路ないですからね。
あの時期にバイクで道を走ること、汽車に乗ることは楽しみです。
―― 柿の景観が、本当にお好きなんですね?
山村 柿の景観は、八頭町の必須アイテムだと思います。
八頭町にしかないと思いますよ。道路や鉄道沿線からこんなにきれいな柿畑が見えるところ。
僕の地元の奈良県にもないです。
柿農家さんの岡崎さんが、国道沿いの柿畑に手を入れてらっしゃるのですが、景観を良くしたいという思いもあるようです。
跡継ぎ問題とか、収入面とかいろいろ難しいことだと思うんですけど、なんとか残していただけるように私も協力したいなと思います。
―― 車とかバイクに乗りたいってことが、鳥取の定住するきっかけにならないでしょうか?
山村 鳥取は車やバイクが好きな人は、鳥取はめちゃくちゃいいと思いますよ。
でも、仕事がないといけないですしね。収入の面も鳥取で暮らすとなると、都市部で暮らすことに比べて圧倒的に下がりますし。
それは、しょうがないことなんで。
でも、車が好きバイクが好き、めちゃ走りやすいこの場所って思える人が、僕は来ると思ってて。自分がそうだったから。
日本中探したら、20人ぐらいいるんじゃないかな!!10人は、絶対いるはず!(笑)
―― 10人でも、20人でもこの町のことが好きだと思ってくれる人が、もし来てくれたら、凄いですね!
山村 凄いことです。ここの場所に住みたい、老後を過ごしたいみたいな人が、数十人でも来たら。
ここの地域が好き、ここの景観が好き、だからこの景観を守る、地域を守る仕事をするって思ってくれる人がいれば、とっても強いと思います。
行ってみたいんだから、行かしてあげたらいい
―― 八頭町を訪れるライダーに対して「これしておいた方がいいよ」みたいなことはありますか?
山村 それしゃべりだしたら、すごい時間を使っちゃいますよ(笑)鳥取は、いっぱい面白い所がありすぎるので。
ちなみに八頭町だけ紹介というのは私はしません。バイク乘っている人は、100キロなんて、あっという間に移動しますから。
八頭町だけだと、小さすぎるんですよ。「出雲大社へ行きたい」「戸倉峠を抜けたい」「岡山に帰る」というような目的が大体あります。
そのルートにあった場所を教えてあげるんです。「それならこんな所どうですか?」って。
面白いところを今からいっぱい作ろうとしなくてもいいって思います。今のままで十分です。
ただ「ここに行ったらいいよ」ってことだけ、しっかり伝えられたらいいと思ってます。僕は、そのためにブログを書いています。
今、あるもので最高ですから。みんなもそれを求めて来ていますから。
八頭町だったら季節によって変わるから、紹介の仕方が滅茶苦茶難しいです。
人によって求めるものが変わりますからね。だから写真も撮ります。
でも、その人にしっかり刺さる案内ができたときは、本当にうれしいですね。
いくつか紹介して、「1つしか行けなかったんだけど、とても楽しかったです」と言ってもらえることが、最高のパターンです。
頭の中に、他の2つが残っているからまた必ず来てくれると思っています。
紹介できるところは、鳥取を含めて沢山あります。八頭町に拘らず、良い場所を紹介していきたい。
逆にそうしないと、だめだと思います。八頭町の人が、面白い所を紹介してくれたってことが大事だと思ってて。
「八頭町のあの人が、面白い所紹介してくれた」って思ってくれたらいい。
面白い場所をお店を紹介してくれた八頭町の人になること。
そうしたら、また八頭町に行こうって思うじゃないですか?いい場所は、あるんです。それを伝えるだけです。
―― インバウンドの人も沢山宿泊されますよね。
山村 対応は、ほとんど一緒です。どこから来て、明日どこに行くのってこと聞いたりします。
どれぐらい滞在しているの、日本何日目なんですかって聞いてみます。
その人が行ってきたところを知れば、その人の趣味嗜好がわかるじゃないですか?
ここに行ったとか、こことここを回ろうと思っていて、メインで鳥取砂丘に行こうと思ってると聞いた場合、だったらここも回れるよってアドバイスしたりします。
砂の美術館や渡辺美術館に行った方がいいよ、みたいに。
行きたい場所に対して、自分の感想を言ったりは、ほとんどしないですね。
行ってみたいんだから、行かしてあげたらいいと思います。
例えば、日本の伝統的な文化に興味がある旅行客だったら鳥取城跡とか仁風閣とか紹介したりします。
わらべ館には、古いおもちゃがあるから、日本の古いホビーがあるよって伝えたり、そしたら「面白そうだね」って言ってくれて。
全部揃ってるんで、あとは行くところ組んであげるだけだと思います。
100円バスも走っているし、インバウンド観光案内所もあるので、それを教えてあげるだけですね。
そうやって、ちゃんと対応していくと「八頭町のあの人は、親切丁寧だった。八頭町にまた行こう」と思ってくれると思います。
インバウンドの方には、八頭町の柿畑の写真や若桜鉄道などの写真を見せてあげるだけで「素晴らしい!」とか、「アメージング!」って言ってくれます。
みんな来たくて来てますからね。あとは、その期待を裏切らずに、期待を超えていく努力をするだけですね。